最近思う事
- ライバー ハウス
- 2024年5月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年5月21日
笑福亭笑瓶が突然亡くなって、一年が経ちました。番組で毎週会っていた仲間が先に逝ってしまい、大変な喪失感でしたね。出演のみんなと何とか笑瓶亡き後の番組を盛り上げようと力合わせてきましたが、一年経ってみて思うこと。悲しいかな日常に忙殺されて、近ごろ彼のことを忘れているときがあります。茶の間でもそうなのでしょうね。番組で各地のもめ事をレポートしてきた笑瓶の功績と言いますか、やってきたことが、残っていない。もちろんトラブルが起きている噂の現場へ赴いて、取材して放送するだけの番組なので、もめ事を解決するだけの力なんてものはありませんが、現場では時にヒートアップして予定外の議論となるときがありました。相手はいつも行政サイド。放送できない場面も多々ありましたが、明らかに住民不在の行政判断や受け答えに我を忘れてキレていましたね。やり過ぎたせいか最近の行政はいつも文書回答で、カメラ取材を受けてくれなくなりました。木で鼻をくくったような回答でも、メディアの使命で両論併記が必須。都民ファーストと言いながら住民不在で、開発関連企業優先に舵を切っている行政に、常に虚しさを感じていたのです。
緑を無くす樹木の伐採、都市計画道路の問題、教育、空き家、交通、医療、少子高齢化など、34年間で1700カ所以上の現場取材を行っています。どんな議員や首長よりも多くの現場に出かけているのですよね。あらゆる問題を解決するには、やはり行政、しかもそのトップの判断、志がどこを向いているかによるのだと思い知らされてきました。
志垣太郎や風見慎吾、そして笑福亭笑瓶が番組を去って、私にしてもやがて、なんかやっていたなー程度にしか記憶されない運命。ならばこのあたりで、まったく敵わないまでも一矢報いてから討ち死にしてやろうと決意しました。
外野からワーワー言っているだけではなく、言っていることを行動に移してこそ、これまでやってきたことが活かされるのだと思い立ったのです。
選挙という戦いに出る場合、自ら番組を去らなければなりません。これまでお世話になった沢山の人たち、特に番組をここまで育ててきた司会の森本さんにとっては、まるで破壊的なテロのような辞め方です。けれど意外にも第一声は「おもしろい!」だったのです。「やってみろ」と背中を押され、泣きそうでした。言うだけではなく行動しなければ、というジレンマを抱えていたのは、私だけではなかったのかもしれません。
奇しくも石川啄木の命日が4月13日。
「われは知る、テロリストのかなしき心を・・・
言葉とおこなひとを分かちがたき ただ一つの心を 奪われたる言葉のかはりに おこなひをもて語らむとする心を、われとわが体を敵になげつくる心を・・・
しかして、そは真面目にして熱心なる人の常にもつかなしみなり。」